diary/Kojima
・松下のヘルプアイコン特許
いわゆる「ソフトウェア特許」の典型例として,松下電器産業がジャストシス
テムの「一太郎」を訴えていたヘルプアイコン特許,一審では松下電器の特許
が認められたけど,今日下された二審では逆転してこの特許自体が「進歩性」
を欠き,特許として無効とすべきものだ,という判断が下されたとか.
この特許自体,Mac のバルーンヘルプあたりに由来する機能をソフトウェア特
許として申請したら通ってしまったようなレベルのもので,個人的には無効だ
ろうと思っていたから,今回の高裁の判断は妥当なものだと思うし,ソフトウェ
ア特許にも明確な「進歩性」が必要だ,という判例はソフトウェア特許に対す
る縛りになると共に,これからの特許訴訟の判例の基準になりそうな印象.こ
の先,松下が控訴して最高裁で争う可能性もありそうだけど,今回の高裁の判
断は新しい「知財高裁」の判例だし,5 人の裁判官の「大合議」で決まったそ
うだから,最高裁で再逆転することは難しそう.ソフトウェア開発にたずさわ
る人間としては,とりあえず一安心,というところかな.
- しかし こういう裁判があるとすれば、松下は ソニーに訴えられないのかと、、、(ぉぃ --
- >とりあえず一安心
- 当方もKojimaさんと同意です。特許は今までに無かったモノにしか与えるべき
ではないと思います。類似物はできるだけ特許を受け付けないという基本方針
が必要であると感じます。 -- 嶋
- 審査するほうからすれば、当り前の技術は拒絶したい気持ちになります。しかし、証拠文献を探してなければ特許する法律のしくみになっているのです。今回もドイツから文献が見付かったとか。進歩性の水準を高めるには、質・量とも十分な文献をストックすることです。←国全体の技術力向上が必要です。 -- haru
- 最近、Plamo-MLの方で話題になっているけど、今度は JPEG の特許がかなり問題になっているような。詳細はチェックしてないけど、画像情報の圧縮伸展に関わる基礎的な技術の特許らしくて、影響はJPEGに留まらず、動画回りにも及びそうだとか。ひどいのは、この特許を持っている会社自体が JPEG の策定委員会に入っていたことで、明かにサブマリン特許を狙っていたような感じ。かってのGIFのように、各種画像は PNG に置き替えないといけなくなるのだろうか -- kojima