・「お申し出」
台所でつけっぱなしになっているラジオを聞くとはなしに聞いていたら、某生協の担当者が「お客さまからのクレームは、「お申し出」として受け取っています」旨の発言をしていた。 聞いたとき「お申し出」なる言葉にずいぶん違和感を感じたのだけど、考えてみると、本来「申す」は「言う」の謙譲語なのに、 それに「お」をつけて尊敬語のように扱っているのがひっかるのだ、と気づいた。
「言う」の尊敬語は「仰る(おっしゃる)」になるだろうし、「言われた」の謙譲語は「承る(うけたまわる)」あたりになるべきだろう。
# 関西弁では尊敬と丁寧を合わせた「言いはる」(イントネーション的には「言い張る」の平平ではなく、平低になる)という便利な言葉もあったりするけど(笑
まぁ、このへんを気にしだすと、最近のコンビニのバイト店員に普及している言葉遣いは理解不能になるので、ほどほどにしておくべきだろうけれど、 古典の授業でならった「せ させ たてまつる」みたいな尊敬と謙譲のニュアンスを一語の中に使い分けていた、 かっての日本人の言語感覚を忘れてはいけないと思う今日このごろ。