diary/Kojima/2014-01-31
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[[diary/Kojima]] ・「足らない」?「足りない」? 某所の校正で、「足らない」と書いてたのを「足りない」と直されて、さて、どっちが正しいのだろうか、としばし悩んでしまった。 関西圏の人間なんで、「そんなん、全然足らんやん!」みたいな言い方で、「足る」は「足らない」「足ります」「足る」「足れば」みたいな活用をすると思っていたけれど、 確かに「足りる」が元で「足りない」「足ります」「足りる」「足りれば」みたいな活用もあるなぁ。。 よく分からんので、Googleで調べてみたら、「足らない」「足りない」の双方が流通しているものの、口語的には「足りない」が主流で、 「足らない」は廃れつつあるらしい。元々は「足る」だったけど、江戸語で「足りる」が使われるようになった結果、そちらが主流になりつつあるとか。 そういうわけで頭では理解できたものの、やっぱり関西圏の人間としては「足らん!」とは言うけど「足りん!」とは言わんなぁ、、という感じ。 ちなみに、こういう風に書いてたら「足」の字がなぜ「十分ある(たる)」という意味に使われるのかが気になってきた。 「満足」とか「知足安分」という言葉は知っているものの、なぜ「足」の字にそういう意味があるのだろう? Googleをあれこれ引いてみてもこのあたりの答は見つからず、結局手もとにあった白川静先生の「字訓」を引いてみたところ、 足(そく)は膝から下、足先までの象形。これを「たる」意に用いることは、[老子,44]「足ることを知れば辱しめられず」、 [左伝,襄25年]「言は以て志を足す」のように古くから例が見えるが、どうしてその義があるのか明らかでない。 卜辞に「帝は雨を正(た)らしめんか」「帝は雨を正(た)らしめ、年(みのり)あらしめんか」のように、正をその字に用いる また金文の[善鼎]に「左疋(しょ)」「右疋(うしょ)」の語があって、疋は補助・佐助の意に用いる。 …足を「たす」「たる」のように充足の意に用いるのは、このような正・疋との関係が考えられる。 ということで、昔々から「足」「正」「疋」は「たす」「たる」という意味に使われてきたけれど、 なぜかはよく分からん、というのが結論らしい。 結局、「足」の字が「たる」という意味に使われる理由はよく分からないものの、 漢字が生まれた最初期からそういう使い方がされていて、それを受けついでいるから、ということらしい。 とりあえず漢字の「足」の字に「たる」「たす」という意味があるのは、古来からの用法ということで納得はしたものの、 今度は日本語の「たる」「たす」という言葉と漢字の「足」のあいだの関連が気になってきた(w このあたりは万葉仮名を調べてみることになるのかなぁ。。 - 久しぶりに「字訓」を見てみたけど、結構面白いなぁ。これもベッドに寝っころがって読める本じゃないから、バラして電子化してみるかなぁ。。 -- [[kojima]] &new{2014-01-31 (金) 21:13:51}; - うちの方では方言と相まってか? 「足りん」 「足らん」 どちらでも有りですね。 「相まって」の使い方これで良かったのかなぁ?、とチト不安 (^^; -- &new{2014-02-01 (土) 18:06:17}; #comment
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[[diary/Kojima]] ・「足らない」?「足りない」? 某所の校正で、「足らない」と書いてたのを「足りない」と直されて、さて、どっちが正しいのだろうか、としばし悩んでしまった。 関西圏の人間なんで、「そんなん、全然足らんやん!」みたいな言い方で、「足る」は「足らない」「足ります」「足る」「足れば」みたいな活用をすると思っていたけれど、 確かに「足りる」が元で「足りない」「足ります」「足りる」「足りれば」みたいな活用もあるなぁ。。 よく分からんので、Googleで調べてみたら、「足らない」「足りない」の双方が流通しているものの、口語的には「足りない」が主流で、 「足らない」は廃れつつあるらしい。元々は「足る」だったけど、江戸語で「足りる」が使われるようになった結果、そちらが主流になりつつあるとか。 そういうわけで頭では理解できたものの、やっぱり関西圏の人間としては「足らん!」とは言うけど「足りん!」とは言わんなぁ、、という感じ。 ちなみに、こういう風に書いてたら「足」の字がなぜ「十分ある(たる)」という意味に使われるのかが気になってきた。 「満足」とか「知足安分」という言葉は知っているものの、なぜ「足」の字にそういう意味があるのだろう? Googleをあれこれ引いてみてもこのあたりの答は見つからず、結局手もとにあった白川静先生の「字訓」を引いてみたところ、 足(そく)は膝から下、足先までの象形。これを「たる」意に用いることは、[老子,44]「足ることを知れば辱しめられず」、 [左伝,襄25年]「言は以て志を足す」のように古くから例が見えるが、どうしてその義があるのか明らかでない。 卜辞に「帝は雨を正(た)らしめんか」「帝は雨を正(た)らしめ、年(みのり)あらしめんか」のように、正をその字に用いる また金文の[善鼎]に「左疋(しょ)」「右疋(うしょ)」の語があって、疋は補助・佐助の意に用いる。 …足を「たす」「たる」のように充足の意に用いるのは、このような正・疋との関係が考えられる。 ということで、昔々から「足」「正」「疋」は「たす」「たる」という意味に使われてきたけれど、 なぜかはよく分からん、というのが結論らしい。 結局、「足」の字が「たる」という意味に使われる理由はよく分からないものの、 漢字が生まれた最初期からそういう使い方がされていて、それを受けついでいるから、ということらしい。 とりあえず漢字の「足」の字に「たる」「たす」という意味があるのは、古来からの用法ということで納得はしたものの、 今度は日本語の「たる」「たす」という言葉と漢字の「足」のあいだの関連が気になってきた(w このあたりは万葉仮名を調べてみることになるのかなぁ。。 - 久しぶりに「字訓」を見てみたけど、結構面白いなぁ。これもベッドに寝っころがって読める本じゃないから、バラして電子化してみるかなぁ。。 -- [[kojima]] &new{2014-01-31 (金) 21:13:51}; - うちの方では方言と相まってか? 「足りん」 「足らん」 どちらでも有りですね。 「相まって」の使い方これで良かったのかなぁ?、とチト不安 (^^; -- &new{2014-02-01 (土) 18:06:17}; #comment
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