・BSD License と GPL
kerneltrap あたりを見ていると,OpenBSD で開発された無線LANカードのドライバを Linuxに移植した際に BSD ライセンスと GPL の間で問題が起きているそうな.
あまりきちんと議論は追えていないのだけど,もともと BSD/GPL の dual license になっていたものを GPL だけにするような修正があったり,BSD のラ イセンスのコードを修正してGPLで公開する,ような行為が問題になっているみたい.
議論は法的な話と倫理的な話が混在しているのだけど,BSDの支持者からすると BSDライセンスで公開しているソースコードをLinuxで修正して,その結果を GPLで公開されると,その修正点がBSDライセンスのコードに取り込めない(GPL に感染する),というあたりの不満が根強くあるような.
まぁ,このヘンは BSD のライセンスが伝統的なハッカー倫理に基づいた性善説 に基づいているのに対し,GPL は,そのような性善説だけではソースコードの 共有がうまく行かないというストールマンの苦い経験から,強制力を持ち込む 仕組みを作ろうとしたようなものだから,根本的なところで考え方が噛み合わ ないのはいたしかたないところという気がする.
理想主義と現実主義の衝突という感もしないでもないのだけど,GPL だとライ センス的に文句が言えるのに対して BSD ライセンスだと,「倫理」とか「礼儀」 に訴えるしかないのはつらいところだろうな.しかし,このあたりの問題が対 商用ソフトウェアではなく,同じ OSS の中でやっているのは何とも皮肉な感じ だなぁ..