・「正史 三国志」とか

「蒼天航路」に影響を受けて,ちくま文庫から出ている「正史 三国志」全8巻
を買いこんで,手の空いたおりにあちこち読んでいます.

本来,司馬遷の「史記」に初まる中国の史書は,「本紀」と呼ばれる編年史と
「列伝」と呼ばれる個人の伝記で構成されるのだけど,「三国志」の場合は
「本紀」が無くて「列伝」だけで構成されていて,「魏書」は「武帝紀」とい
う曹操の伝記で初まり,呂布や董卓といった悪役,夏候惇や曹仁といった武将,
荀イク,郭嘉といった軍士,それぞれの伝記が並列に収められています.「蒼天
航路」自体が「三国志」を元にしているので当然と言えば当然なんだけど,原
作ではごく単純に語られているそれぞれの人物のキャラクターが,マンガでは
独自解釈のエピソードを交えつつ個性的に展開されていて,対比しながら見て
みると「マンガのこのエピソードは魏書の○○伝のこの記述に由来しているの
か」とか,「魏書ではこういう風に記載されているけど,マンガだとよりドラ
マティックにするためにこういう風に設定を変えているのか」といったあたり
が見えてきてなかなか面白い.ちょうど三国志では欠けている編年史の部分が
「蒼天航路」では時代を追って語られているので,それぞれの列伝としてバラ
バラに存在している各自のエピソードを時間軸にそってつなぎ合わせながら,
大きなストーリーに編みあげていっているような印象.もうしばらくはハマっ
ていそうだなぁ..(苦笑)

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